不思議な物語「ガラスの使徒」

1960年代から当時のアングラ演劇界で独創的な作品を上演し続けている唐十郎が書いた「ガラスの使徒」というのがあります。ガラスの使徒、池谷佐七というかたくななまでに匠の技にこだわるガラス職人の物語です。

都会の中で取り残されたような工場、その中で毎日レンズ磨きを専門にする職人なのですが、天文台の望遠鏡に使うという60センチの大型レンズを手がけ、もうほとんど完成しているので納品すればよいのだが、そこは昔気質の職人肌、本人が納得いくまでは完成としないという主義なのです。

ある夜、天から舞い降りたかに見える美しい謎の少女・葉子が、今にも人手に渡りそうになっている工場を守ると言うのです。完成に不可欠と考えている化粧砂という研磨砂が、今はダムの底に沈んで久しいという古い小学校の中にあるのだと聞いた葉子は、それを固定まで取りに行くという大胆な行動に出ます。

そのあとの展開は是非作品の中でどうぞ。映画化されています。ガラスに命をかける男の、最後まで諦めない気持ちが感動です。